イベントでより効果的なサンプリングを行うには？

企業が自社商品の販売を促進するプロモーション活動のひとつに、自社商品を配布したり体験してもらったりする「サンプリング」というものがあります。そのなかでも、イベントで活動するイベントサンプリングを行うにあたって気をつけるべきポイントがあります。今回は、イベントサンプリングを行ううえで必要な許可や申請などについてまとめます。

サンプリングとは

サンプリングとは、自社商品の配布や使用体験などを提供し、消費者に商品の使い勝手などを体感してもらう販促手法のことです。インターネットの発達により情報を入手すること自体は以前よりも格段に容易になりました。しかし、商品の実物が目の前にないと伝えにくい情報もあります。

ホームページや動画で商品の様子を伝えても、匂いや質感といった感覚的な情報や利便性、使い勝手のよさといった定性的な情報がなかなか伝わりにくいのです。そこで効果的なのがサンプリングです。サンプリングを行うのは次のような目的があります。

・購入の後押し

・集客アップ

・見込み客の情報収集

商品に興味があるけれども、使い勝手がわからず迷っている。そんな人の購入を後押しする手法としてサンプリングが用いられます。サンプルを使ってもらい、使用感を確認してもらうことで購入につなげます。サンプルの配布は集客アップの効果があります。

イベントの告知や新規開店などでサンプリングを行うことで来場者の増加が見込まれるからです。そして、マーケットリサーチの手段としてもサンプリングは効果があります。消費者がどのような商品に興味を持っているのか、どんな不満があるのかといった消費者の生の声を集め、見込み客がどの程度いるのかを推定するデータを集められるのです。

サンプリングにはいくつか手法があります。一つ目は、「街頭サンプリング」です。駅の周辺や路上など、人が多く集まる場所でサンプルを配布する手法です。人が多く集まっている場所で行うと、多くの人にアプローチできます。しかし、一人ひとりとの接触時間が少ないため、印象に残りにくいというデメリットもあります。

二つ目は「ルートサンプリング」です。店舗や施設などを利用して行うサンプリングで、街頭サンプリングよりもターゲットとする人を選べるというメリットがあります。

三つ目は「Webサンプリング」です。サンプルの配布希望者を募り、応募した人に配布するという手法です。商品に関心を持っている見込み客のデータを集められるのが利点です。SNSを活用すると、さらに効率よくデータ収集ができます。

イベントでサンプリングを行うメリット・デメリット

上記３種類の方法に加え、イベントを利用したサンプリングを行うことを「イベントサンプリング」といいます。それぞれのメリット・デメリットをまとめます。

メリット

メリットは、アプローチしたい層に直接サンプルを渡せることです。イベントには開催目的やコンセプトがあり、それに関心を持つ人が集まります。もともと、方向性がハッキリした人が多いといえます。そこに、イベント内容と方向性が近い商品を投入してサンプリングすることで、効果的な商品アピールが可能となります。

イベントに参加することで企業や商品の認知度向上も狙えます。規模が大きいイベントの場合、思っていた以上に反響があるかもしれません。つまり、イベントサンプリングにはターゲットに直接接触でき、自社のサービスや商品の認知度を上げる効果が期待できるのです。

デメリット

デメリットは準備や調整が大変なことと、イベント参加に関わるコストが発生することです。自社商品と親和性が高いイベントを探したり、出展交渉や申請に手間がかかったりします。主催者との打ち合わせも必要なため、安易に「やりたい」と考えるのはリスクがあります。

加えて、イベント参加にはチラシの印刷代やグッズの製作費、スタッフの人件費、試供品の製作費、運搬費などのコストがかかります。人的・資金的なコストとイベントの効果を考慮し、充分効果があると判断したものに参加しなければ意味がなくなります。

場合によっては許可・申請が必要なことがある

扱っている商品が食品である場合、営業許可や届出が必要となります。商品を販売しなくても、試飲・試食を実施するときには試飲・試食報告書を保健所に提出しなければなりません。包装された食品を提供する場合は、食品配布届の保健所への提出が必要です。こうした届出をする際は、事前に保健所と相談し、トラブルが発生しないよう細心の注意を払わなければなりません。

まとめ

今回はイベントでより効果的なサンプリングをするにはどうすればよいかについてまとめました。商品の販売促進のためのプロモーションの一種であるイベントでのサンプリングは、消費者に直接商品を試してもらえる絶好の機会です。映像だけでは伝えられない感覚的な情報や使用感を伝える絶好の機会です。

しかし、準備に時間がかかるうえ、コストもそれなりに必要となります。参加するべき催事をしっかりと見極め、費用対効果が高いサンプリングになるよう、計画する必要があるのです。